『雨降れば地固まる』
2005年 OB日記の
第1回目を務めました、35回生の春間純です。
この度、2度目の登板の機会を
宮本先生より頂きましたので、喜んで寄稿させて頂きます。
約15年が経過しましたが、
申し訳ないですが、文章は上手くなっておりません。
宜しければ再度お付き合い下さい。
福岡県の久留米大学医学卒業後は広島に戻り、
専門科を脳神経外科に選択し、
広島市内、岡山県内、福山等の
病院勤務や大学院での研究生活を経て、
昨年1年間は、
パリにある病院に留学するという経験をして参りました。
今回は医療に関してというよりは、
たった1年ですが、海外生活で感じた事を中心に
話を進めて行きたいと思います。
まず、フランス留学となると、
フランス語はできるの?と必ず聞かれます。
はい、全く出来ません (笑)。
英語も達者では無く、
高校時代に学んだ「黒瀬English」を武器に
何とか1年間乗り切りました (笑)。
ヨーロッパでの生活は、
改めて「日本」を再認識させられました。
日本は素晴らしい国、世界でもトップクラス、
と渡仏前の自分は思っていました。
何をするにしても
人は親切に教えてくれますし、
電車は時間通りに来ます。
それが当たり前でした。
しかし、帰国した今の自分の感覚としては、
日本は「整いすぎている国」です。
それも幸せなことですが、本当にそうでしょうか?
最近はLINE等ネット環境が整い、
他人とコンタクトをとるのは非常に簡単になりましたが、
その為に面と向き合って
話をする機会が激減しました。
多くの要素はあると思いますが、
色々な社会現象の問題は
こういったコミュニケーションの欠如が原因ではないでしょうか?
フランス人は本当に話好きです。
赤の他人でも関係ありません。
例えばこんな場面に遭遇する事がありました。
駅でメトロを待っている時に、
突然の車両トラブルで運転中止。
日本であればイライラして、
この怒りをどこかにぶつけるところですが、
フランス人はそんな時に隣人と話をします。
そんなトラブルも何処吹く風と、
その会話に多くの人が加わって
至るところで会話の輪ができて、
そのトラブル自体を
楽しんでいるかの様に映ります。
「雨降れば地固まる」という表現があてはまるでしょうか?
この言葉が今も生きており実践されています。
こういった場面を見聞きするたび、
人と人が接するこんな機会は、
日本では滅多にお目にかからなくなったなーと思っていました。
昨今ではスマホを操作したり音楽を聴いたり、
よく言えば「プライベートを楽しむ」ですが、
言葉を悪く言えば、
なるべく人と関わらない様にするといった事になります。
話は少し変わりますが、
幸いフランスでもサッカーをする機会があり、
外国人とも対峙する事がありました。
考えられない状況から足が伸びてきたり、当たりが強かったり、
こんな環境で本田 圭佑や長谷部 誠は闘っていたのか、
と勝手に彼らをリスペクトしていました。
外国人はマークするのも
本当に距離が近いです。
勿論、身体能力に自信があるので
裏をとられることが無いのでしょう。
ですが、
サッカーをプレイしながらも、
この「距離」が実はサッカーだけでなく、
それ以外にも色々と通じる物があると感じました。
我々日本人は色んな事を恐れて
相手に距離を置いてしまい、壁を作ってしまいます。
外国人だけでなく、
他人から話しかけられても
それに即座に応答することが苦手です。
無意識に「距離」をとってしまっているのかもしれません。
別に悪いことではないのかもしれませんが、
もう少しこの「距離」を縮めても
良いのではないかな?と感じます。
それには相手をリスペクトしすぎず、
もう少し自分中心に物事を考えて、
自信を持つ事が重要になると思います。
このために、
日頃から自己研鑽することもそうですし、
コミュニケーションもしっかりとらないといけません。
メールやLINEだけでは駄目です。
先のメトロの話のように、
多少のトラブルがあった方が、
人と人が接してコミュニケーションを図るようになり、
結果
「雨降れば地固まる」となるのではないでしょうか?
とりとめの無い話で
サッカーの事は全く話しておらず、
この内容では
恐らく3度目の登板は無いと思います。
しかし「コミュニケーション」について、
感じたことを述べさせてもらいました。
留学、外国生活は
本当に良い経験になりました。
一般的には
海外生活となると「勝ち組」のイメージでありますが、
本当は「価値組」になる良い機会だったと思います。
(Y次郎さん頂きました笑)
もしこういった機会がある方には
是非経験してもらいたいと思います。
最後にこういった経験をさせてもらえたのも、
広島城北サッカー部での経験があったからこそだと思います。
こういった側面からしか応援できませんが、
一緒に全国大会に出場できるチームを作り、
名実ともに更なる素晴らしいクラブになることを願っています。
2019年12月07日
広島城北高校サッカー部
35回生 春間 純