10月17日 (土) に行われる日本語スピーチコンテストに参加するため、15日 (木) の夜、フォルタレザの友人ワジソン (日本語教師) と参加者2名 マサラ、ウェリシスがカノアに到着しました。
会場のナタウへ向かうため、16日 (金) の早朝に彼らと共にカノアを出発。
途中、マサラのお父さんが働いている大学で授業に参加したりと寄り道して、結局到着したのは夕方になってしまいました。
会場には、デカデカと看板が用意されていました。
さて、この日本語スピーチコンテスト。
僕が当初思っていたよりはるかに規模が大きかったんです。
毎年9月に各州で大会が行われ、10月に地方大会、11月に全国大会まであり、ちなみに16歳以上であれば誰にでも参加資格があります。
今回は東北地方の大会で、各州で予選を勝ち抜いた参加者達がナタウに集まったわけです。
つまり、マサラとウェリシスはセアラ州代表で、ワジソンはその先生ということですね。
ここで疑問になったのが、全国大会の先。
もし全国大会で優勝したらどうなるのか。その景品はズバリこれでした。
「日本行きのチケット」
わずか3週間だけですが、その間の費用は一切無用とのことです。
これを聞いたとき、僕の中で何かが光りました。
僕の中には、夢というか願いというか、やりたいことがあるんです。
それは、エステーヴァン村の子を日本に連れていくことです。
日本、日本人そして日本語が大好きな子たちに、本当の日本を魅せてあげたいんです。
実際、ここの村の子たちが自分でお金を貯めて日本に行くというのは本当に難しいことです。
また、僕らがお金を出してこの子たちを日本に連れていくというのは何か間違っているような気がしてならないのです。
そもそも誰を連れていくかも選べないし、ただの自己満足で終わってしまうのでは、と思うんです。
自分がどれだけ努力しても叶わないような本当にやりたいことを、他人によって簡単に成し遂げられてしまうのいうのは、その子の将来にとって役立つと思わないんです。
そんな中、こんな素晴らしいきっかけがあることを知りました。
帰ったら早速、村の子たち、特に今僕がやっている日本語教室の生徒達に伝えてあげようと思いましたね。
さてさて肝心の大会ですが、まずクラスがA 〜 Dまで分かれており、参加者は日本語をどれだけ勉強しているかでそのクラスのどこかに分けられます。
そして順番が来ると、準備してきた原稿を暗唱し、その後審査員による日本語の質問があり、それら全てを踏まえた上で、4つの基準 (内容、発音、日本語力、聴衆意識度) によって採点されます。
ウェリシスはCクラスの3位、マサラはCクラスの2位という堂々たる結果でした。
偉い方々がたくさん前に並んでいて外国語で質問までされる中、本当にがんばってましたね。
前日も当日も一生懸命練習してました。
全国大会には進めませんでしたが、この経験は彼らにとってはかけがいのないものとなったのではないでしょうか。
お昼ごはんにはなんとお弁当が出ました。
卵焼き、から揚げ、おむすびと、なんとも懐かしい味でした。
会場の傍には日本文化の展示会もしてあり、その中には厳島神社もありました。
「この近くに住んでるんだよ。」って言ったら、うらやましがられました。
近くにあったらあまり何も感じませんが、やはり近くにあるものこそ大事にしないといけませんよね。
午後にはソーラン節や日本の歌の発表もあり、素晴らしい大会は幕を閉じました。
全国大会に進んだ東北地方代表の方々には、ぜひとも頑張って日本行きのチケットを手にしてもらいたいです。
ちなみに、プレゼンのテーマを「漢字」にしてた子がいたんです。
漢字が大好きで、毎日その勉強をしているそうなんですが、最後に審査員にこんな質問をされていました。
「もし漢字で入れ墨をするとしたら、どういう漢字を入れますか?」
「秋葉原。」
いやー、日本のアニメやゲーム文化は根強いようですね (笑)
会場にいた審査員の方々を含め、僕ら日本人は爆笑してしまいました。
もう一つわき道にそれますが、ショッピングモールでマネキンを見ました。
「これがブラジルじゃ!」といわんばかりにマネキンが爆乳だったんです。
これ、すごくないですか?
まあショッピングモールなんて僕が今住んでるとこには絶対ないですからね。
新鮮でした。
18日はワジソンの誕生日会。
ブラジルのご馳走フェイジョアーダを食べながら、ワジソンが自分で作ったカラオケを日本語で夜までみんなで熱唱しました。
ちびちゃんも歌ってましたね。
ワジソン、おめでとう!
これからもよろしくね!
こうして色んな収穫を得て、月曜にまたエステーヴァンに帰ってきたわけなんですが、やっぱりここは最高でした。
海と砂丘に囲まれた道の無い道が通学路なんて、すごいですよ。
村に向かいながら、一人でなぜかニヤニヤしてしまいました。
村に帰ってきたら、村の子たちは温かく迎えてくれて、「おかえり!」と抱きしめてくれました。
身近にある幸せを大切にしながら、これからもがんばっていこうと思った瞬間でした。
P.S.
現役の皆さん、2次リーグ頑張ってくださいね!
陰ながら応援しています。
良い結果を期待しております!
2009年10月23日