猶崎コーチの振りは後回しで、自分にも少し城北サッカー部で経験し、学んだことを語らせていただいてもよろしいでしょうか?
自分の現役、特にキャプテンをしてた代は、部員が13人(!)で、練習メニューも何もなく、個人練習の延長みたいな日々でした。
キャプテンとは言え、あれこれ自分で考えてチームを引っ張るタイプではなかったので、仲間と相談しながらもいきあたりばったりにやりたい練習をやり、困った時にはミニゲーム、という毎日だったと思います。
そんな感じだから、結局、公式戦は一回も勝てませんでした。
そして県大会出場を目指す城北の歴史が始まったというわけです。(と言うと、聞こえはよいですが)
それじゃ、まるで当時のサッカー部はダメ人間の集まりだったのか?というと、そんなことは絶対になかった。
どうすれば試合に勝てるのか、何が足りないのかっていうことを、みんな一生懸命に考えていました。
吉田さんというOBの方が指導に来てくださっていましたが(吉田さん、当時は本当にありがとうございました)、大部分の時間を選手だけで過ごしたこともあり、考えや思いを体系的に整理できず、空回りし続けたというところです。
でも、不思議と走りのトレーニングだけは、みんなから嫌われるぐらい練習メニューに入れていたように記憶しています。
その分、技術的な指導を受けるチャンスがあれば、それこそ乾いたスポンジが水を吸うように自分たちの中に入ってきました。
当時、東京で大学生をしていらした宮本先生が、たまに帰広して教えてくれるサッカーは、ベーシックな戦術もあれば当時の最先端の理論もありで、あまりサッカーを知らない自分は衝撃すら覚えたものでした。
その時の経験はしっかりと自分の中に入り、間違いなく今もサッカーを続けている自分のベースになっています。
考えることをやめなかったおかげで、同じスポンジでも非常に上質なスポンジになれていたんだろうなと、今は思います。
城北サッカー部のここまでの歩みを Vol 19.html 振り返ると、けっして楽な道のりではありませんでしたが、ゆっくりと少しずつ力をつけてこれたと思います。
試合に勝った、負けただけではなく、現役チームとそれをとりまく環境、つまり、保護者会・OB会の応援や、HPによる情報発信の充実などにより、広島城北サッカークラブ全体が体力を付けてきたと言えるでしょう。
OBも含めクラブに関わる人たちも増えてきましたが、クラブの中心はもちろん現役チームです。
選手には自分たちの日々の努力や活躍を、応援してくれている人が本当にたくさんいることを感じて欲しい。
その上で、自分たちの今するべきことをしっかり考えてもらいたい。
サッカーだけじゃなく、勉強のこと、将来のこと、いろんなことを考えながら経験し、学び取る材料が広島城北サッカークラブには今、たくさんあると思います。
はっきりとした今後の方向性は導き出せていないと思いますが、今回はこの辺でいったん筆を置きます。
これからもみんなと一緒に考えながら、走りつづけていくことを誓って・・・
2004年2月26日
広島城北高校サッカー部 コーチ
岩井 竜彦